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日本全国 酒の肴巡り

五島市のかつお生節。このサイズは、長さ約20センチ、600グラムほどあった。2、3人で分け合っても十分な量 一見かつお節のように固そうだが、お箸でも簡単にほぐれるほどの柔らかさ 口に入るサイズにほぐした生節に、軽くネギをふってポン酢で食べてみた。マヨネーズでもおいしそう 締めはだし茶漬けに。ご飯の上に生節を適量のせて、あつあつのかつお出汁(塩またはしょう油で薄く味をつけたもの)をかける。お好みでわさびを少々。飲んだ後の胃にやさしい一品になる

第二回 かつおの生節(なまりぶし)

 かつおといえば高知県、かつお節なら鹿児島県が第一の名産地と思い浮かぶが、長崎県五島列島のかつおも、実は隠れた名産品なのだという。高知県や鹿児島県で捕れるのは真鰹で、五島列島は羽鰹と、種類も違うらしい。なかなか行く機会のないその島の名産を、この夏は味わうことができた。それも生ではなく「生節(なまりぶし)」である。
  かつおの半身を塩、砂糖、しょう油などの調味料で軽く味付けし、それをスモークした生節(地域によっては生利節)。沖縄でも鰹漁が盛んだったころはあったはずだが、最近はとんと見かけない。
  久しぶりに出会う生節は、ふんわりとやさしい鰹の香り、木でいぶしたからこその燻蒸香がまず食欲をそそる。見た目は固そうだが、箸を入れると無理なく身がほぐれていく。薫製独特の黄金色に輝く表面を割ると、そこから柔らかな肌色の身が姿を現す。このコントラストも美しい。

調理方法によって、飲み方を変えて

 ほぐした生節を、まずはそのままいただく。薄味で適度に柔らかいが、酒の肴にするにはもうひと味ほしいので、軽くネギを散らしてポン酢を少々かけてみた。すると、鰹の甘味がよりいっそう引き立った。
  これに合う泡盛は、と考える。さっぱりとした風味なので、30度の一般酒、それもやや口当たりが軽めのものを水割りにする。もちろん、相性はばっちりだ。さらにすっきりと飲めるソーダ割りにしても合いそうだ。
  生節はマヨネーズで和えてもおいしいというので、それも試してみる。ポン酢よりも、ややこってりとした一品になる。こちらは、ちょっと度数を高くした水割りやオン・ザ・ロックにも合いそうだ。
  ちょっと大きめにほぐした生節を、ちょっとマヨネーズを入れたフライパンに乗せ、上からちょっとチーズをかぶせて少し溶けるぐらいに熱して洋風に仕上げてみた。こちらは、味がより濃厚になる分、度数が高い3年~5年くらいの古酒のオン・ザ・ロックも合う。少しずつつまみながら、ちびりちびりと飲む古酒がまたおいしいのだ。
  最後の締めに、生節を熱々のご飯の上に乗せ、薄口の鰹出汁をかけていただく。飲んだ後の胃にやさしいだし茶漬けになった。

今回の食材

全世界の熱帯・温帯海域に広く分布するサバ科の魚。高速で海中を遊泳し、鰯などの小魚を食べて育つ。大型のものは全長1m・体重18kgに達するそう。日本の魚食文化とは古くから密接な関係がある。

今回の都道府県

長崎県

面積:4.095平方キロ
人口:1,423,111人(H22.10月現在)
長崎県といえば、長崎ちゃんぽん、皿うどん、長崎カステラ、近年では佐世保バーガーなどの食の名物がたくさんある。あまり知られていないが、ビワの生産は日本一の県でもある。海産物資源にも恵まれ、有明海のふぐやワタリガニ、壱岐対馬のアワビなども有名だ。

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