トップページ > 連載企画「日本全国 酒の肴巡り」 > 第十回 高知県の珍味、うつぼのたたき

日本全国 酒の肴巡り

たたきとはいってもしっかり中まで火を通したうつぼの白身 食べる直前に皮の面をもう一度炙り、適度な厚みに切って器にのせる オーブンで身の両面に火を通してもうまい 軽く炙って薄切りにし、刺身感覚でにんにくをきかせた醤油で食べてもうまい

第十回 高知県の珍味、うつぼのたたき

 海に囲まれた沖縄では、ときどき魚市場でもうつぼを見かけることがあるが、食用として流通しているとは言い難い。あまり大量に捕れるものでもないし、小骨が多く調理しにくいということもあるのかもしれない。一度、渡りガニを捕ろうとカニカゴを海に仕掛けたところ、うつぼが入っていたので、それを煮たり、蒲焼きにしたりして食べたことがあるのだが、火を通す時間が足りなかったのか、なかなか軟らかくならなくて食べるのに苦労した。
 そういう経験があるので、高知県ではうつぼのたたきが酒の肴としてよく食べられていると聞いたときは「本当にうまいのか?」と、まず最初に思った。固いというイメージと、火に炙るだけの「たたき」という調理方法がなかなか結びつかないのである。
 百聞は一見にしかずともいうし、まずは食べてみた。これが全然固くないのである。調理法を尋ねたところ、3枚に下ろしたうつぼの白身を、遠火でじっくり、何度かひっくり返して両面を丁寧に焼き、中までしっかり火を通すのだという。たたきと呼ばれているが、単に火で炙るだけではダメなのだ。

にんにく醤油が泡盛との相性抜群

 焼き上がったうつぼは、刺身のように適度な大きさに切り、にんにくがきいた醤油につけて食べる。つまは薄切りにしたタマネギ、万能ネギをたれに加えてもおいしい。
 白身は蛋白で軟らかく、皮の部分はゼラチン質になっているのでもっちりとした食感。身そのものの味が淡いので、にんにく醤油に良く合うのだ。
 白身のふっくらとした食感を楽しみたいときは、うつぼの半身をオーブンで両面焼き、ちょっと厚めの7ミリ幅くらいに切って食べるといい。
 にんにく醤油の味がけっこうきいているので、30度の一般酒(熟成3年未満の泡盛)を水で半分くらいに割った水割り(15度前後)との相性が抜群だった。
 高知県の方は日本酒を飲まれる方が多いので、泡盛の水割りを日本酒の「冷や」のように飲んでもらおうと思い、氷を入れずに、冷たい水だけで割ったものを試してもらったのだが、「とても飲みやすい」「これは何杯でもいける」と喜んでもらえた。最初は水と泡盛を半分くらいの割合で飲んでいたのだが、飲み進むうちにどんどん泡盛の割合が多くなっていくのは、沖縄県人と同じ(?)だ。それにしても、沖縄は酒が強い人が多いとよく言われるが、高知県の人もかなりのものだ。

今回の食材

うつぼ

ウナギ目・ウツボ亜目・ウツボ科の魚の総称、またはその1種。熱帯から温帯の沿岸の岩場を住処とし、鋭い歯と大きな口で、タコをはじめ、魚類、甲殻類などを捕食する大型肉食魚であることから “海のギャング”と呼ばれる。小骨が多く調理方法が難しいため、高知県や五島列島、和歌山県など日本ではごく一部でのみ食されていたが、さっぱりと上品な味で栄養もあるため、近年珍味として再評価されている。

今回の都道府県

高知県

面積・7105.01平方キロメートル
人口・764,456人(H23.11月現在)
近年は大河ドラマの影響もあり、坂本竜馬の生誕地としてよく知られている高知県。かつお料理が有名なので海のイメージが強いが、全面積の80%以上を豊かな緑に覆われ、最後の清流と呼ばれる四万十川が流れる、海・山・川の自然豊かな土地である。鰹のほか、農産物では柚子の生産量が日本一。ほかにも四万十川の鮎や地鶏の土佐ジローなど、魅力ある食材も豊富だ。

重要なお知らせ

よくある質問

オンラインショッピング

泡盛百科 携帯サイト