泡盛继承麹之精髓,自1429年以来,在冲绳群岛各地以大米和黑麹酿造而成的蒸馏酒。

日本最南端の島・波照間島の家族5人でつくる
島人に愛され続ける、島の泡盛


石垣島から船で南西へ約1時間。青く輝く海に見とれているうちに見えてくるのが、日本最南端に位置する波照間島です。波照間港から車で5分ほどの集落の中で操業しているのが波照間酒造所。1953年の創業以来、つくっている銘柄は『泡波』のみというシンプルさが魅力です。10数年前にわき起こった焼酎ブームの頃、この泡波は「幻の酒」と呼ばれ、驚くような高価格で売買されたこともありましたが、「幻」と呼ばれるには理由があったのです。

現在、泡盛づくりに関わっているのは、波照間家の次男・卓也さんと三男の拡さん。15年ほど前、酒造所を継ぐために島に戻ってきた卓也さんは、父で社長の波照間忠夫さんから「仕事は見て覚えろ」と厳しく仕込まれたそうです。そして、今、両親と兄弟、そして兄嫁の5人による家族経営で手づくりの泡波が生み出されています。そのため生産量に限りがあり、島外へはなかなか流通しないという事情がありました。それが、いつしか「幻の酒」と呼ばれるようになった由縁ですが、波照間島に来ればいつでも飲める、島で愛され続ける泡盛です。

機械化が進む泡盛メーカーが多い中、波照間酒造所の工場は、昔ながらの設備が現役で頑張っています。写真右側に見える緑の部分が直火釜。八重山では最後の工程の蒸留の際に直火釜を用いる酒造所も少なくありませんが、波照間酒造の直火釜は原料米を蒸すときにも使うそうです。卓也さんは「すべての設備は35年以上前から同じものを使っています。直火釜のバーナーの火加減一つも、慣れるまではススが出たりして、大変でしたよ」と言います。

『泡波』は1ヵ月に平均で6回ほど仕込み、3合瓶に換算して月に約6000本生産しているそうです。昔から一定量を作り続け、ほぼ9割が島内で消費されているといいます。波照間島では、今も年中行事が盛んに行われていて、島の神様に捧げるお酒は泡波と決まっています。二人の兄弟が丁寧につくった泡波は、最後に兄嫁の静香さんの手で、一枚ずつラベルが貼られ、島の人の元へ届けられるのです。「本当は古酒もつくりたいのですが、今は、この生産量で手一杯です」と卓也さんは残念そうに語ります。

 

中央が次男で杜氏を務める波照間卓也さん(34歳)。左側の拡さん(31歳)、奥様の静香さんと力を合わせて、おいしい泡盛づくりに日々取り組んでいます。「完全な手づくりなので、毎日丁寧に作業しています。特に麹は気温や湿度などによって日々様子が変わるので、子どもを育てるようにこまめに確認します。手も気も抜けませんが、島の人たちのためにも頑張ります」と卓也さん。拡さんは「島の行事の後に、島の人たちと一緒に飲む泡波が一番おいしいですね」と笑顔を見せます。

 

 

【酒造所名】波照間酒造所
【住所】竹富町字波照間156
【電話番号】0980-85-8332
【URL】http://awanami.net