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昔からの設備で、唯一の銘柄『宮之鶴』をコツコツつくる
地域で愛され続ける住宅街の中の酒造所

 


石垣市宮良の住宅地にある仲間酒造所は、1948年の創業以来、地元で愛される泡盛を目指して、こぢんまりと家族経営を続けています。つくっているのは『宮之鶴』のみ。地元・宮良地域では年中行事が盛んに行われていますが、『宮之鶴』は行事には欠かせない存在で、工場の周辺には創業当時から愛飲し続けている家庭もたくさんあるそうです。島内への出荷が9割を占めるという、文字通り地域に根ざした酒造所です。

家族による少人数で泡盛をつくるのにちょうどいいコンパクトな工場には、使い込まれた設備が並んでいます。写真中央に見えるのは、直火でじっくり加熱する伝統的な地釜蒸留器。かまどのそばには、沖縄で「ヒヌカン」と呼ばれる火の神様が祀られています。

米麹をつくるのも、昔ながらの木製の棚。一人で製造工程の全てをこなしている前花宏明さんは、米麹を仕込みタンクに移動させる作業の真っ最中。「バーキ」と呼ばれる竹製のカゴを使って300キロの米麹を数メートル先にある仕込み用のタンクへと黙々と運び続けます。バーキは、かつては沖縄のどの家庭でも使われていましたが、今では民俗博物館か民芸品として販売されているものを見かける程度の希少品。仲間酒造所のバーキには補修した跡が残り、丁寧に使い続けられてきたことがうかがえます。

工場の駐車場に、ふいに、軽トラックがやってきました。荷台に載せてきた宮之鶴の空き瓶を下ろすと、白い包装紙に包まれた新たな宮之鶴を積み込み始めました。話を聞くと、軽トラでやってきたのは、ご近所に住む愛飲家の石垣さん(右)。ニコニコと「今日は友だちが集まって飲み会をするんです。宮之鶴をたくさん用意しておかないと、皆が黙っていないので一升瓶をどっさり買いに来たんですよ」と教えてくれました。こんなふうに宮之鶴は昔から地域の方々に愛され、現在に至っているのです。

前花宏明さんと義姉の鈴子さん。昔ながらの作業にはたいへんな手間がかかりますが、人から人へと時間を惜しまない心が受け継がれ、真摯な泡盛づくりが続きます。

 

 

【酒造所名】仲間酒造所
【住所】石垣市宮良956
【電話番号】0980-86-7047
【URL】なし