沖縄県の最北端の島にある伝統を誇る酒造所
首里から麹づくりの職人さんを迎えて始まった本格的な味

 


沖縄県北部の運天港から約80分の船旅。県最北端に位置する伊平屋島の人々に愛されているのが伊平屋酒造所の泡盛。同酒造所は、首里の酒造所から島袋さんという麹づくりの職人を島に呼んでつくられました。島の北部には天照大神が隠れたとされる伝説の岩「クマヤ洞窟」があり、同酒造所の主要銘柄『照島(てるしま)』は、その「照」の字と、設立当初の麹職人・島袋さんの名から一文字もらっての命名だそうです。また樹齢約280年といわれる島のシンボル「念頭平松」に由来する泡盛『平松ロック』も長年にわたって親しまれています。

伊平屋酒造所の創業は1948年。当初は島の人たちによる酒造組合として設立されました。今も伝統的な製法にこだわり、昔から親しまれてきた味を変えないよう丁寧な泡盛づくりが行われています。現在1400人ほどが暮らし、人と人の距離が近いこの島では、泡盛の味が変わると愛飲している人からの指摘がすぐに酒造所に届くのだそう。そんな事情もあって、泡盛の味を左右する麹づくりには、特に細心の注意を払って作業をしているということです。

以前は、タイ米を原料にした泡盛のみをつくっていましたが、6年ほど前からは島で栽培された米を使った泡盛にも着手しています。山が多く清らかな湧き水にも恵まれた伊平屋島は、古くから米作りが盛んで、今もその生産量は県内トップクラス。その島の米「伊平屋米(てるしの米)」での泡盛づくりは島の人々にも喜ばれています。また、古酒づくりにも力を入れていて、11年古酒の『たつ浪』はしっかりした旨さの中に甘みを感じるマイルドな飲み口が好評です。

工場長の保久村昌章さん(中央)を中心に、長男の将貴さんも泡盛づくりにかかわっています。現在、出荷量の8割は島内で消費され、豊年祭などの地域のお祭りや祭祀には欠かせない存在。保久村さんは泡盛の味を熱心に研究していて、古酒と一般酒を何十種類もブレンドしてはテイスティングを繰り返し、新たな味わいを探求しています。そして島米でつくった泡盛とタイ米の泡盛をブレンドし、さらに古酒を加えた商品などを誕生させました。

 

 

緑の山々と丹精込めた田んぼの色合い、そして青く輝く海と、格別美しい自然に恵まれた伊平屋島は、伝統的な年中行事が数多く残る「民俗学の宝庫」とも称されています。そんな島で古くから島人に愛されてきた泡盛は、ぜひ島を訪れて、地元の人々と一緒に味わいたいもの。透明度の高い海は豊穣な海の幸をもたらしてくれ、新鮮な近海魚と伊平屋酒造の泡盛の組み合わせは、島ならではの至福の味。泡盛をメインにした離島のグルメ旅が楽しめそうです。

 

 

【酒造所名】伊平屋酒造所
【住所】伊平屋村字我喜屋2131-40
【電話番号】0980-46-2008
【URL】なし