もっと泡盛を知る、愉しむポータルサイト

緑あふれる、のどかな環境に建つ工場で
家族経営による心を込めた泡盛づくりを続ける

 


沖縄本島の南部に位置する八重瀬町。ヒカンザクラの名所として知られる八重瀬公園がある高台からは、サトウキビ畑が広がるのどかな田園風景が楽しめます。この町で1949年に創業したのが神谷酒造所。2004年には現在の地に移転し、家族4人で「基本に忠実」「万事に誠意をもって取り組む」をモットーに、伝統的な泡盛づくりを続けています。代表銘柄の『南光(なんこう)』は、沖縄を表す「南」から本土に向かって発信する「光」をイメージして名付けられ、ラベルには幸せを運ぶ象徴として宝船や鶴が描かれています。

工場長で杜氏を務めるのは、創業者の孫である神谷雅樹さん。近隣の酒造所での厳しい修業を経て自社に戻り、昔ながらの製法にこだわり忠実な泡盛づくりに取り組んでいます。同社ではしっかりと黒麹菌をはやした米麹からもろみをつくり、低温でじっくりと熟成させることで独特の甘さを引き出しています。写真のタンクはこの日仕込んだばかり。3〜4日目に発酵のピークを迎えるそうですが、神谷さんは蒸留までの約18日間、毎日、もろみの香りの変化などを確認しながら手作業で撹拌作業を行い、味わい深い泡盛となるよう丁寧に育てています。

ここの蒸留器は、蒸気を直接吹き込んで、もろみを加熱するタイプです。風味がよく、やわらかい酒質になるのが特徴で、コクと甘みを感じるバランスの良い泡盛がつくられています。出来上がった泡盛はすぐには出荷せず、半年以上、甕で寝かせて独特の刺激臭などを緩和。その後、ステンレスタンクに移してさらに熟成させてから商品化します。雅樹さんは「『南光』は素朴な味わいで、泡盛本来の旨味や豊かな香りを最大限に生かした、なめらかな飲み口に仕上げています」と教えてくれました。

泡盛の独特の風味が苦手な人のために、飲みやすさを追求した銘柄『はなはな』シリーズ。これは発酵に欠かせない酵母を独自に開発したもので、ハイビスカスからつくった酵母で仕込んだ泡盛や、町花のマリーゴールドの酵母でつくった泡盛があります。フルーティーな香りと甘みのある飲み口は、食事にも合わせやすいと泡盛初心者を中心に人気が高まっています。また甕で貯蔵し、低い度数の『古酒はなはな』もあり、多様な味わいが楽しめるのも魅力。このほか代表銘柄『南光』の古酒も、華やかな香りと甘みが味わい深いと好評を博しています。

 

二代目代表の神谷正彦さん(右)を中心に、小規模な家族経営を続けている神谷酒造所。工場の移転前から使っている常圧蒸留器に加え、移転後は口当たりが軽やかでバナナのような甘い香りの泡盛がつくれる減圧蒸留器を導入し、2基を併用して多くの人に愛される泡盛づくりに意欲的に取り組んでいます。神谷雅樹さんは地元・八重瀬町商工会やこちんだ通り会の役員も務め、地域のためにも奔走。神谷酒造所は地域に欠かせない存在で、出荷量の10%近くは町内で消費されています。

 

 

【酒造所名】神谷酒造所
【住所】八重瀬町字世名城510-3
【電話番号】098-998-2108
【URL】http://www.kamiya-syuzo.com