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お客さんとのコミュニケーションを大切にして
コクと深みのある古酒を作り続けていく


那覇市与儀の通りに立つ、何本もののぼり。そののぼりに導かれるようにして辿り着いた津波古酒造では、絶えることなくお客さんが集まってきます。取材当日は、毎月行われるという「太平感謝祭」。酒造所の店頭にはたくさんの泡盛が並べられ、店頭販売されていました。価格がリーズナブルなのはもちろんですが、この感謝祭のために開発された商品も多数並びます。季節もの商品も多く、そのほとんどが限定のため、泡盛ファンならどれもこれも欲しくなるはず。大々的に宣伝せず、口コミだけでこの感謝祭は100回以上も続いているそうです。

「お客さんとコミュニケーションを取りながら泡盛を飲んでもらうことで、どういう酒が求められているのかもわかります。ダイレクトに意見を伝えていただく機会は本当に貴重だし、何より楽しいですよ」と語るのは、杜氏の大城篤光さん。この日も、常連客と談笑しながら泡盛談義が弾みます。「作り手の想いを伝えることもできるし、お客さん同士でもコミュニケーションが生まれます。しかもいろんな人が来るので、異業種交流会にもなっているんです」。

大城さんのレクチャーで、とくにユニークだったのが原酒の試飲。700kgの米から、およそ600リットルの原酒が出来るのですが、通常はすべてひとつのタンクに貯蔵します。でも、あえて5つのタンクに分けることにより、それぞれ違った味わいを楽しめるのです。「最初の蒸留では純度の高いさらさらのアルコールなのですが、徐々にオイリーで穀物や油の香りがしてくるんです。これらを加水せずに44度にブレンドするのですが、一度の蒸留でもタイミングによって味や香りが変わるんです」という通り、驚くほどどれも違う香りを楽しむことができました。

津波古酒造は、伝統的な酒造所らしく、昔ながらの製法を大切にし、人の手を介して丁寧に作業することを意識しています。米を蒸し、発酵させて蒸留し、瓶詰めをしてラベル貼りまですべてが手作業です。大量生産はできませんが、その分、商品開発も臨機応変に対応。なかには「杜氏の晩酌」や「わったーとうちゃん」なんていうユニークな酒もあり、これらも感謝祭で好評だったよう。もちろん、看板銘柄の「太平」や伝統の古酒もしっかりと守り続けています。

 

1898年創業という非常に歴史のある津波古酒造。120年以上もの間、この地で古酒を中心に酒造りを続けてきました。大城さんの杜氏としての一番の願いは、「製造法が同じでも、ちょっとした条件で味や香りが微妙に変わる。その違いを楽しんでもらいたい」ということ。大城さんの熱意が伝わるからこそ、口コミで泡盛ファンが集まってくるのです。これからも、コミュニケーションを大切にしながら、旨い泡盛を造り続けてくれるはずです。

 

 

【酒造所名】株式会社津波古酒造
【住所】那覇市与儀2-8-53
【電話番号】098-832-3696
【URL】なし