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ロングセラーの人気銘柄『どなん』を安定的に生産し
新たに島米での泡盛づくりも手がける


与那国島の絶景ポイント・立神岩からほど近い集落にある国泉泡盛は、『どなん』で知られる酒造所です。同社は1958年に5名が合名会社として設立し、当初はそれぞれの自宅でつくったもろみを工場に持ち込み、会社の蒸留器を使って泡盛をつくっていたそうです。泡盛は5者5様の味わいでしたが、共通しているのは与那国島にだけ製造が許されているアルコール度数60度の「花酒」をつくっていたこと。今も与那国島に3つある酒造所のすべてが花酒の製造に力を入れています。

民家が立ち並ぶ集落内の工場で泡盛の製造を続けていた国泉泡盛は、2011年に郊外へ移転し、大規模な工場を建てました。広々とした工場内には泡盛貯蔵用のタンク(写真左側)と仕込み用のタンク(右)がずらり。一番奥の一段高い場所には、一度に1トンの米を蒸せるドラム式の蒸し器が設置されています。ほとんどの工程を手作業で行っていた以前の工場から一気に機械化を推し進め、安定した品質の泡盛を大量生産できるようになりました。現在、泡盛の8割は島外に出荷され、売り上げも好調だそうです。

機械化が進んだとはいえ、やはり人の五感をフルに働かせないとおいしい泡盛は生まれません。工場の移転前から同社で泡盛をつくり続けている杜氏の米澤さんは、大きなタンクに掛けられたはしごを上り、発酵の様子や香りをチェックしながら毎日もろみを攪拌しています。泡盛の仕込みに欠かせない水は、与那国島ならではの質のいい硬水。島では昔「仕込みは硬水で、飲むときは雨水(軟水)で割るのがおいしい飲み方」と伝えられていたそうです。

クバという植物の葉っぱできれいに巻かれた『どなん』は、お土産用として昔から人気の泡盛です。これは与那国島に自生しているクバの葉っぱを乾燥させて、人の手で1本ずつ丁寧に巻いたもの。与那国産の泡盛の顔ともいえるクバ巻きですが、その発祥はここ国泉泡盛。1972年の復帰以前、与那国島の泡盛は島外への出荷が禁じられていましたが、復帰後、島の泡盛を島外の人にアピールする手段の一つとして、国泉泡盛の代表者がクバで巻いたのが始まりでした。今も、山に入って葉っぱを刈り取るところから始める大変な作業が続けられています。

 

工場内のショップで「『どなん』の名付け親は私なんですよ」と教えてくれたのは代表者の大嵩長重さん(左から2番目)。断崖絶壁の切り立った島である与那国は、不安定な天候が続く季節は海が荒れて渡りにくい(渡難)とされていたことからの命名だそうです。次世代を担う長男の大嵩長史さん(左端)は「伝統的な花酒や泡盛をつくり続ける一方、地域のために、島で栽培された米を使った泡盛も手がけています。少数精鋭で試行錯誤を重ねながら、さらによい泡盛をつくっていきたいですね」と意欲的に取り組んでいます。

 

 

【酒造所名】国泉泡盛合名会社
【住所】与那国町字与那国2087
【電話番号】0980-87-2315
【URL】なし