古酒の定義

泡盛の大きな魅力は、年月をかけて熟成させれば素晴らしい古酒に育っていくことです。沖縄では、甕やビンに入れて熟成させることを「寝かせる」とよく表現しますが、寝かせば寝かすほど香りも甘くなり、口に含んだときの舌触りもまろやかになります。その風味の芳醇さは、1853年に琉球国を訪れたペリー一行が、「まるでフランスのリキュール(ブランデー)のようだ」と表現したように、現代でも、世界的に評価されている年代物のウイスキーやブランデーと肩を並べることができるほどの名酒なのです。

では、泡盛はどれくらい熟成させれば古酒といえるのでしょうか。

以前の規定では、3年以上熟成させた泡盛が、全量の50%を超えていれば「古酒」と表記してよいことになっていましたが、平成25年10月10日に「泡盛の表示に関する公正競争規約」の一部改正を行い、平成27年8月1日より、琉球泡盛の「古酒」表示について、全量が泡盛を3年以上貯蔵したものに限って「古酒」表示されることになりました。
(※平成27年8月1日以前の詰口の商品につきましては、以前の基準で「古酒」表示されている場合がございます)

また、古酒年数をしっかり表記した泡盛の場合は、当該年数以上、貯蔵したものとなります。
具体例をあげると、5年、7年など、はっきりと年数が表記された泡盛古酒は、その全量が表示された年数以上熟成されたものではなくてはならないと規定されています。
5年古酒でしたら、その全量が5年熟成させた泡盛か、あるいは5年古酒にそれ以上の年数寝かせた古酒をブレンドしたものでなくてはなりません。ブレンドした場合、常に貯蔵した年数が若い泡盛の方の年数を表示しなくてはならないのです。例えば、20年古酒に少量でも3年古酒がブレンドされていれば、そのお酒は「3年」としか表記してはいけません。

一般酒に10%以上の古酒をブレンドする場合、「混和酒」あるいは「ブレンド酒」と表記できますが、この場合も、「古酒○%」と混合割合を表記しなくてはいけません。

古酒を選ぶときには、古酒年数が高ければ、それだけ素晴らしい泡盛古酒である可能性が高くなるわけですが、その風味は酒造所によって、またはブレンドによっても違います。お酒は嗜好品ですので、飲む人それぞれが好む味も千差万別。いろいろ飲み比べてみて、お好みの味を見つけてはいかがでしょう。