泡盛ってどんなお酒?

泡盛の大きな特徴は次の4点といえます。
1. 原料に米を使用する。
2. 黒麹菌を用いる。
3. 仕込みは1回だけの全麹仕込みである。
4. 単式蒸留機で蒸留する。

麹は米や芋などの穀物でお酒をつくるとき、原料を糖化させるために必要なものです。
日本酒には黄麹、焼酎は主に白麹が使われるのに対し、泡盛造りに使用される麹菌は、「黒麹」。泡盛の特徴はなんといってもこの「黒麹」を使うという点が挙げられます。その理由や特徴は、別項で詳しくご紹介します。
また、泡盛の原料には一部の銘柄を除き、インディカ米(長粒種米:細長い系統の米)が使用されています。これは粘り気の強い日本の米(ジャポニカ種)に比べ、硬質でさらさらしているため黒麹菌が菌糸を伸ばしやすい(米麹をつくりやすい)という特性があり、もちろん、香りや味わいに泡盛独特の風味を出す要因となっています。

こうして、原料の米を、黒麹を使って米麹にし、それに水と酵母を加えてもろみにし、2週間ほどアルコール発酵させます。このシンプルな工程は「全麹仕込み」といわれ、泡盛独特のものです。泡盛以外の国内の焼酎はこの仕込みの工程を2度に分けて行います。これも泡盛の大きな特徴となっています。 さて、2週間ほど発酵させたもろみを蒸留させるといよいよ泡盛が出来上がります。このときに使われる蒸留機は「単式蒸留機」と定められています。単式蒸留機は、もろみに含まれる成分をほどよく蒸気に含ませるため、原料の風味をあますところなく蒸留酒に反映させるという特徴があります。

さらに、こうやってできる泡盛には、「古酒に育つ」という大きな魅力があることも忘れてはいけません。
ウイスキーやブランデー、ワインなどにもビンテージ物はありますが、泡盛は、大切に管理していけば、100年、200年の古酒に、それも各ご家庭で、育てることができるのです。

このようなお酒は、世界でもほとんど例をみません。第二次世界大戦で100年を超える古酒はほとんど失われてしまいましたが、戦後育てられた20年、30年といった古酒でも、その芳醇な味わいと甘い香りは、高く評価されています。
泡盛のオリジナリティーとクオリティーの高さは、世界の名酒のひとつであると胸を張れるものなのです。